帰りたくない病

帰りたくない。 日本に帰りたくない。 ずっとここにいたい。 約1年いて私は、すっかりチュニジアが好きになり 規則正しいあの窮屈な日本の生活に 戻るのが嫌で嫌で仕方がありませんでした。 タクシーに乗れば、音楽もかかっていないし 初乗りが、660円もする日本。 何を買うにも値段が決まっていて面白みがないし パック売りで新鮮さがない食べ物。 何よりも、物価が高くて仕方がない。外を歩いていても、 誰も声などかけてこない孤立した社会。 まれに、かけてくるのはキャッチやティッシュ配りの人々だろうか。 新しい出会いは、メールや援助交際か？ 下手したら殺されるかもしれない治安の悪さ。 そう簡単に知らない人と話などできない。うわべだけの信頼で出来上がっていて、 情など残ってない、日本。 機械のように人々は働き、 隣にいる人間はライバルで、 気を抜いたらすぐ踏みつけられる。 そして、負ければ誰も助けてはくれない・・・・。なんて住みにくい国なんだろうか。 それに比べチュニジアは、なんて 素晴らしい国だったのだろう。 人は優しいし、穏やかで、時はゆっくり流れている。アラブの人々は、人間らしかった。 最初チュニジアに来た時、「帰りたい」と 毎日言っていた自分を思い出し、笑った。 そして今、「帰りたくない」と言ってる自分が いることを教えてあげたいと思った。 ホントにいい国だった。私は、またチャンスがあれば 必ず行くだろう。 ・・・・でも、今はすっかり日本に慣れてしまったので チュニジアスタイルに慣れるのには時間はかかりそうです。 2003　3　16